高齢化社会の日本に欠かせない訪問看護

高齢化社会の日本に欠かせない訪問看護

日本では少子高齢化が進んでおり、現在では4人に1人が65歳以上であり、2025年には人口の1/3が65歳以上となる超高齢社会になります。高齢者の増加と医療の発展によって今後更なる高齢化が進み、それに伴い病と付き合いながら日常を過ごす人々が増加することでしょう。

求められる訪問看護

高齢化社会に伴い、医療でも病気を治す医療と合わせて、患者とその家族の生活に主点を置き、高齢者を支える医療に観点が向けられています。高齢化により、年々社会保障費が国の財政を圧迫しています。そのため、医療費を抑えるために長期入院時の医療費の抑制が求められ、また病床を効率的に活用するためにも病院での療養から在宅での療養が進められています。そこで、自宅で療養するのにケアや生活支援を行うためにも需要が高まっているのが訪問看護です。
訪問看護の役割は、病気の急性期を乗り越え、症状が落ち着いた回復期を入院しながら完治まで過ごすのではなく、自宅や施設などで療養やリハビリテーションを行いながら生活支援を行うことです。そうすることで、少子高齢化による医療費の抑制や病床数不足対策にもなります。そのためにも厚生労働省も、訪問看護師や訪問保健師などの育成、訪問看護ステーションの整備など、専門スタッフや拠点の育成と整備に取り組んでいます。また、訪問看護の研修支援を実施したり独自の福祉事業を取り組んでいる自治体もあり、厚生労働省や各自治体で地域看護のための土台や仕組み作り、専門スタッフ育成などの訪問看護推進に力を入れています。

訪問看護師のやりがい

訪問看護師は、利用者に合わせて対応をしなければならないため判断力や医療知識、また利用者だけでなくその家族とも接するためコミュニケーション能力が必要です。病院看護にはないメリットとして、利用者とその家族と話し合ったうえで利用者それぞれに合った看護を行い、より寄り添った看護で利用者とその家族との信頼関係を築いていけます。訪問看護師は季節天候問わず毎日利用者の元へ通ったり、日々の努力や勉強が求められ大変ですが、それにより医療スキルや知識の幅が増えコミュニケーション能力も鍛えられ、また大きなやりがいを感じることができます。訪問看護で経験を積み、より責任の重いターミナルケアに従事する人もいます。訪問看護は高齢者だけではなく、世代に関係なく利用することができます。そのため、訪問看護師のニーズは今後ますます高まってくるでしょう。