さまざまなところから求められている

さまざまなところから求められている

看護師と聞いて思い浮かぶ一番身近な場所といえば病院です。しかし、医療の発展に伴い昔は病院でしか行うことができなかった呼吸器や点滴などの医療機器を施設や自宅で利用して、通院や入院をしなくても治療することができるようになりました。このように病院以外で看護が行われている場はたくさんあります。

さまざまな場で働く看護師

看護師が最も多く働いている場所は病院や診療所です。看護職の種類には看護師、准看護師、保健師、助産師とあり、大変多くの人が看護職に就いて働いていますが、病院や診療所以外にも看護が行われている場はたくさんあります。病院や診療所に次いで働く看護師の割合が多いのが介護施設や訪問看護ステーションです。日本の少子高齢化によって、核家族化や女性の社会進出なども相まって少ない人数で育児や介護が行われています。しかし、少子化で税収が減っているのに対し、4人に1人が65歳以上という超高齢化に伴い介護保険や医療保険が増加傾向のため、医療費や介護費を抑えるために自宅で療養する在宅医療が進められています。病院でも病床の機能分化を進め、緊急性の高い急性期や、症状が安定している回復期で病院の機能を分けることで看護師の人数を抑えたり、入院期間を減らして自宅療養を進めています。そこで介護施設や訪問看護ステーションに属して、在宅医療に携わる訪問看護師の需要も高まっています。
さらに、病院、介護など医療の場以外にも地域の保健所の保健師や、勤め人のケアをする産業保健師、学校では養護教諭として看護師は活躍しています。最近は学校でも医療の発展によって医療機器を利用しながら通学している子どもや、病気や悩みを抱えている子どもたちも多く、心身をケアする養護教員は大切です。養護教諭は教育学部でもなれますが、看護学科の養護教諭養成では子どもの心身のことを深く学んだ上でケアをします。このように、施設や自宅、学校などさまざまな場で看護師が求められています。

予防のための看護

看護が必要になるのは病気や怪我、介護など医療が必要になった時というイメージがあります。現代人のかかる病気の多くは、生活習慣病です。そのため、発病後に治療するのではなく、病気にならないための予防で食事や生活習慣を見直し、なおかつ早期発見することを大切にしています。医療のためだけではなく予防のための看護が求められています。そこで、予め予防に努め早期発見し、治療ができるようにするための健康診断を進めており、そこでも看護職は必要です。健康診断で早期に病気を発見し必要に応じて手術や治療をすることで、社会復帰を果たすことができるのです。